お盆に親戚が集まる。この機会を使って相続の話し合いを始めませんか?「まだ早い」と思っていても、話し合わないことが揉め事の種に。揉めやすい家庭と揉めない家庭、その違いは?
お盆こそ話し合いのチャンス
お盆や年末年始、親族が集まる機会。曽根先生が提案するのは「話し合いのスタートの場にしてもらう」こと。でもこういう将来の話って、みんなどう切り出してるんでしょう?
お父様お母様の方から「自分が万が一のことがあった時はこうしようと思うんだ」と言い始めてくれるのが、比較的スムーズ。
でも息子さんたちが「お父さんそろそろ遺言書書いてくれよ」って言うのはなかなか難しい。周りも「いやまだだよ」と言っちゃいそう。
だから「ご兄弟で何を考えてるか整理する」ところから始めるのもあり。
相続争いの8割は遺産総額5,000万円以下
衝撃のデータ。家庭裁判所に持ち込まれた相続争いの件数の8割ぐらいが、遺産総額5,000万円以下。
つまり「相続争いは相続税争いではない」。財産の額そのものではなく、「誰がいくらもらうか」で揉める。金額で揉めるというよりも感情で揉めるケースが多いんです。
揉める原因トップ「どの資産を誰がもらうんだ」
自宅の不動産が1個あるだけ、あとは生命保険。ご長男が自宅を相続するのは一般的だけど、他のご兄弟は「お兄ちゃんばっかり」ってなる。
逆に、お兄ちゃんはサラリーマンで遠くに住んでて「自宅守れって言われても通勤できないんだよな」というケースも。
お嫁さん問題のリアル
「身近にありますそれ」と長崎さん。
兄弟同士は仲いいんだけど、そのお嫁さん同士が仲悪くて激烈な争いになったケースを見たことがあるそう。
「本当に相続争いになっちゃうと、それ以降は本当に年賀状のやり取りもしない」と曽根先生。
揉めない家庭との違い
そもそも揉めないケースの方が多い、という前提。曽根先生も「揉めないように相続対策をやっていく」のが基本スタンス。
でも揉めやすい家庭の特徴は:
- 兄弟仲が悪い、疎遠(30年連絡取ってないケースも!)
- 財産のほとんどが不動産
- 介護の負担が兄弟で違う
- 特定の人が財産を全て管理していた
- 離婚・再婚で前の配偶者との間に子どもがいる
- 自分の知らないところに子どもがいた(!)
「風呂敷に資料詰めて税理士に持ち込む」リアル
実際に無料税務相談会で「風呂敷に資料を持ってきて」相談されるケースもあったそう。でもすぐに解決できるものではない。
話し合うべき3つのポイント
- どんな財産があるのか、いくらぐらいになるのか
- 誰が何を相続するのか(ここが一番難しい!)
- 親の想いとお子さんたちの把握のすり合わせ
「完全に平等公平ってなかなか難しい」と曽根先生。だからこそ、親御さんがお元気なうちに「こういうふうに考えてる」というのをお子さんたちが把握しとくことが大切。
介護費用を生前贈与で
介護をお子さんや長男のお嫁さんにやってもらうなら、生前贈与の形でその介護費用をあらかじめ渡しておく、という方法も。
「納税資金にしたいと思ってるんだけど、この現金で十分ですか?」と事前に相談してくれる素敵な方もいたそうです。
こんな方におすすめ
- お盆に親戚が集まる方
- 話し合いのきっかけが欲しい方
- 揉めない相続を実現したい方
- 兄弟間での話し合い方を知りたい方
- 介護と相続の関係が気になる方

