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#28 相続税を払ったのに、また税金!?

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1月も終わり、もうすぐ確定申告の季節。長崎さんは自身の事業の経費精算などの細かな作業に頭を悩ませている様子です。そんな長崎さんに曽根先生が伝えた確定申告のポイントとは…?

さて、今回のテーマは「相続税と譲渡所得税」。

相続税を払うために株と金を売却したAさん。「これで一件落着」と思ってマイホームの頭金まで入れたら、税務署から連絡が。「株と金を売った分の申告、出てませんよ」——えっ、相続税払ったのにまだ税金あるの!? 相続税と譲渡所得税は「別物」なんです。

ケース:株と金を売って納税したAさん

山梨県内の会社員Aさん。投資好きだったお父様が亡くなり、家・預金・株・金を相続しました。

相続税を払う必要があったため、株を一部売り、金も換金して納税資金を作成。相続税もちゃんと払い、残ったお金でマイホームの頭金まで入れました。

「よし、これで一件落着」——そう思っていたら、税務署から連絡が。

「株と金を売った分の申告、出てませんよ。所得税と住民税、かかります」

相続税と譲渡所得税は「別物」

混乱しやすいポイントですが、整理するとシンプルです。

税金の種類いつ発生するか
相続税財産をもらったとき
所得税・住民税財産を売って儲けたとき

Aさんは相続税は払いました。でも、売って儲けが出たことで発生する所得税・住民税の申告をしていなかったのです。

最大の落とし穴:「買い値」は相続時にリセットされない

「株は相続した時の評価と同じくらいで売ったから、利益は出てないはず」——これが落とし穴。

株や金の利益は「売った値段 − 昔(お父様が)買った値段」で計算します

つまり、お父様が昔いくらで買ったかが利益計算のスタート。相続でもらった時点でリセットされません。

だから、相続税の評価額と同じ価格で売っても、昔の買い値より高ければ利益が出て、税金が発生するのです。

どのくらい税金がかかる?

  • 株の売却益:約20%強
  • 金の売却益:ケースによってはもっと高い税率になることも

売却利益が大きければ、数十万〜数百万円単位で所得税・住民税が追加でかかる場合があります。

Aさんはマイホームの頭金まで入れてしまったため、追加の税金を払う現金が手元に残っていなかった……これがさらに大変でした。

「取得費加算の特例」という救済制度

買い値がわからない場合でも、相続税の一部を経費にできる「取得費加算の特例」という制度があります。

ただし期限があり、相続開始から3年10ヶ月以内(相続税の申告期限の翌日から3年以内)に売却する必要があります。

「まあいっか」と放置していると3年経ってしまうので、早めの対応が大切です。

まとめ:3つのポイント

  1. 「売る前」に、売却で別の税金(所得税・住民税)が出るか確認する。相続税を払ったら終わりではない
  2. 亡くなった方がその資産をいくらで買ったか、昔の「買い値」がわかる資料(取引報告書・通帳履歴など)を探しておく
  3. 買い値がわからなくても「取得費加算の特例」で救済される場合がある。期限内に早めに対応する

相続でもらった時点の税金と、売却した時点の税金は別物。この知識を頭の片隅に置いておくだけで、「あ、準備しなきゃ」と気づけるようになります。


こんな方におすすめ

  • 相続した株や金の売却を考えている方
  • 相続税の納税資金を作るために資産売却を予定している方
  • 相続税と譲渡所得税の違いを知りたい方
  • 「取得費加算の特例」について知りたい方