今回は、成人式の話から始まり曽根先生が税理士を目指したきっかけに。曽根先生が税理士って言いなとおもったのは17歳の時で、紆余曲折を経て税理士の道へ進んだそう。その紆余曲折についても興味が湧くところですが、そんなほっこりした話題から一転、今回のテーマは「連帯納付義務」について。
相続税をちゃんと払って一件落着……のはずが、税務署から連絡が。「従兄弟のBさんが相続税を払っていません。連帯納付義務として、あなた方に納めていただく必要があります」。えっ、私たち払ったのに!? 相続税は「自分の分だけ」では終わらないルールがあるんです。
ケース:従兄弟が払わなかった相続税
山梨県内の会社員Aさん。お父様が亡くなりました。お父様は投資好きで、預金のほか株や金も持っていました。
Aさんは株を一部売り、金も換金して納税資金を作り、相続税もちゃんと納付。残ったお金でマイホームの頭金まで入れて、「これで一件落着」と思っていました。
ところが——。しばらくして税務署から連絡が入ります。
「従兄弟のBさんが相続税を払っていません。連絡も取れない状態です。連帯納付義務として、あなた方に納めていただく必要があります」
「連帯納付義務」とは
一言で言うと、「相続税は自分の分だけ払えばOK」では終わらないというルール。
相続税は相続人だけでなく、遺言で財産をもらった人も払う義務があります。そのうち誰かが払わないと、税務署は別の人に「連帯して納付してください」と言えるのです。
イメージとしては「連帯保証人」に近い感覚。もらった遺産の範囲内という制限はありますが、払う側のストレスは大きいですよね。
なぜ従兄弟は払えなかったのか
よくある理由が、「もらった財産が土地・不動産だけだった」というケース。
相続税は原則として現金納付。土地だけもらっても、手元に現金がなければ払えません。
かといって、亡くなった方が「守ってほしい」と思って渡した土地を、すぐ売る判断もしにくい。結果、「急には払えない」となりがちです。
さらに、直系の子や孫ではなく少し離れた親族だと、話が通じていなかったり、「自分の親じゃないから」と音信不通になるケースも……。
どうすればよかったのか
ポイントはシンプル。「財産をどう渡すか」と「どうやって税金を払うか」をセットで設計しておくことです。
対策例:
- 土地+納税資金(現金)をセットで渡す
- 「土地を相続したら税金がいくらかかる」を事前に計算し、納税資金も一緒に渡す
- 他の相続人が一旦まとめて納税しておく
- 現金をもらった側が期限内に払っておき、後から精算してもらう
- 生命保険を活用する
- 納税資金を確保するために、事前に生命保険に入っておく
遺言は「分ける」だけじゃ足りない
遺言を書くとき、「何を誰にあげるか」ばかり考えがち。でも「払えるかどうか」まで考える人は少ないのが現実です。
「兄弟公平に」「揉めないように」「先祖代々の土地を守りたい」——そういう思いは大切ですが、税金が親族トラブルの着火剤になることもあります。
まとめ:3つのポイント
- 相続税の「連帯納付義務」を理解しておく。他の相続人が未納だと自分に請求が来る可能性がある
- 不動産など換金しにくい財産を渡す場合は、納税資金(現金)もセットで考える
- 遺言書を作る時は「分ける」だけでなく「税金まで払えるか」を専門家とシミュレーションする
相続税は、申告期限(10ヶ月以内)までに申告と納税がセット。「払えないから放置」は絶対NG。最悪の場合でも、申告期限前に税務署に相談して分割納付などの相談をしましょう。
こんな方におすすめ
- 相続税の連帯納付義務について知りたい方
- 不動産を相続する・させる予定がある方
- 遺言書の作成を考えている方
- 相続税の納税資金が心配な方

