今回はクリスマスの思い出の話から和やかにスタート。曽根先生は、子どもの頃初めて食べたブッシュドノエルの感動が今も心に残っているそうです。クリスマスや誕生日に食べるケーキは、やはり特別な味がしますよね。
新企画スタート!
実際の相続相談の内容を参考に、個人が特定されないよう再構成したケースをご紹介しました。今期は、「そんなにお金持ちではないし、相続争いもない円満な家庭」で起きた、よくあるタイプの相談です。どんな相談かというと…
とある女性のケース:贈与の落とし穴で一転生活に困窮?
数年前にご主人を亡くし一人暮らしのAさん。娘さんが3人いて、お盆や正月には孫たちが集まる賑やかな家族です。
相続した財産(合計約6,500万円)
- 自宅:約2,500万円
- 勝沼のブドウ畑:約1,500万円
- 預貯金など:約2,500万円
ある日、次女から「孫1人につき1,500万円まで非課税になる『教育資金の一括贈与』をしておいたほうが安心じゃない?」と提案されました。
贈与が広がり、手元資金が激減
まず次女の子供2人に合計1,000万円を贈与。すると他の娘たちも「うちの子にも」となり、結果として教育資金として合計1,500万円を孫たちに渡すことに。
さらに、普段の生活費やちょっとした出費なんかも重なっていって、数年後、通帳を見ると——預貯金が2,500万円から1,200万円に減っていたのです。「この先、病気や介護が必要になったらどうしよう」とAさんは不安になりました。
「相続税が減ったなら良かったのでは?」の落とし穴
このAさんのケースでは、お子さんは3人います。基礎控除が4800万円ほどだと考えて計算すると、贈与した場合としなかった場合の相続税は以下のような見立てになります。
贈与しなかった場合:財産6,500万円 → 相続税は100〜200万円程度
贈与後:財産5,200万円 → 相続税はゼロか数十万円
一見お得に見えますが、1,000万円以上の現預金が減っている事実が問題。「100〜200万円の相続税を払う」のを節税しようと自分の生活に不安が出るまで手元の現金を贈与してしまったのでは、本末転倒になってしまいます。
「相続税は減ったけど、老後の楽しみも減ってしまった」となりかねません。
制度の使い方を間違えないために
「教育資金の一括贈与」自体は良い制度。曽根先生いわく、問題は「上限まで使わないと損」という発想だそうです。
本来は、孫に本当に必要な学費や塾代の不足分を補うもの。大きな金額を先に決めてしまうと「みんなに同じように」となりやすく、予定より多く贈与してしまいがちです。
また、日常の生活費や教育費は「その都度必要な金額を負担する」形なら贈与税の対象外になるケースもあります。
まとめ:3つのポイント
- 非課税枠の上限ではなく、本当に必要な金額を見極めて使う
- 生活費・教育費は「その都度払う」なら贈与税対象外のケースもある
- 何より自分自身の老後資金をしっかり守る
贈与や相続を考え始めた時こそ、早めに専門家に相談して、老後資金や家族全体のバランスをシミュレーションしてみましょう。
⚠️「教育資金の一括贈与」は現行法では2026年3月31日までの制度です。利用を検討中の方は適用期間にご注意ください。
こんな方におすすめ
- 教育資金の一括贈与を検討している方
- 孫への贈与を始めようとしている方
- 相続税対策と老後資金のバランスに悩んでいる方
- 「非課税枠は使い切らないと損」と思っている方

